令和8年9月7日 令和8年9月定例県議会における知事説明
本日、ここに、令和8年9月定例県議会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、ご健勝にてご出席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
開会に当たり、当面する諸課題について所信を申し述べますとともに、前定例会以降、今日までの県政の重要事項について、ご報告を申し上げたいと存じます。
令和8年熊本地震等と本件の被害状況
去る7月28日、熊本県を震源地とする大規模な地震により、同県を中心に甚大な被害が発生し、今なお多くの方々が不自由な生活を余儀なくされるなど、極めて深刻な事態に直面しております。
また、8月13日から14日の記録的な大雨により、千葉県においても甚大な被害が生じております。
これらの災害により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。
熊本地震においては、島原半島で震度5強が観測されたことから、直ちに長崎県災害対策本部を設置し、砂煙が見られるという情報があった雲仙普賢岳溶岩ドームと眉山について、地震当日から防災ヘリで状況確認を実施するなど、必要な対応にあたりました。
また、8月4日には、徳永県議会議長とともに直接現地に赴き、雲仙砂防管理センターや長崎森林管理署などから説明を受けながら状況を確認いたしました。
その際、島原市から堆積土砂の排除や監視体制の強化など8項目について国に対する働きかけの要望をいただいたところであり、その後、12日に、特に緊急を要する内容について、国に対し島原市と県による共同要望を行ってまいりました。
国においては、溶岩ドーム崩落土砂の影響把握のための緊急的な調査・測量や、眉山における治山ダムの土砂捕捉量確保のための堆積土砂の撤去工事などに着手されたところであり、早急な対応をいただいていることに感謝を申し上げます。
引き続き、市や関係機関と連携した注意監視に努めてまいります。
今回の地震で、本県では、人的被害や住家被害などは生じませんでしたが、いつ、どこで大規模な自然災害が発生するかわからない状況であることを改めて認識いたしました。
また、雲仙普賢岳溶岩ドーム及び眉山の監視体制の重要性についても再認識したところであります。
この認識のもと、引き続き、災害等から県民の生命・財産を守るためのハード・ソフト一体となった防災・減災対策を着実に推進してまいります。
被災地や被災者に対する支援
現在、被災地の復旧・復興に向けた取組が官民総力を挙げて進められておりますが、本県では、去る7月29日、「令和8年熊本地震長崎県緊急支援室」を設置し、被災地からの要請に機動的に対応できる態勢を整え、県民の皆様とともに支援に努めてまいりました。
具体的には、人的支援として、美里町や八代市、宇城市等において、避難所の運営や罹災証明の発行支援、被災者の健康管理、被災建物の応急危険度判定などの業務を行うため、県及び市町職員を派遣するとともに、県内医療機関や福祉施設等のご協力のもと、医療救護活動や被災者の相談支援等を担う医療や福祉の専門職で構成する支援チームを派遣いたしました。
また、災害ボランティアの受入情報の発信や関係団体と連携した災害ボランティアバスの運行など、県民の皆様のボランティア活動の支援を行ってまいりました。
さらに、昨年度、県で導入したトイレカーを初めて被災地へ派遣したほか、避難生活を余儀なくされている方々のため、県内の公営住宅への一時避難に関する相談窓口を設置し、被災された方々を県営住宅に受け入れるなど、積極的な支援に努めているところであります。
加えて、7月30日から義援金の募集を開始したところ、多くの県民の皆様から温かいご支援をいただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げます。
本県はこれまで、長崎大水害や雲仙・普賢岳噴火災害など度重なる大規模な自然災害を経験しましたが、その都度、全国の皆様から温かい励ましやご支援を受け、復興を成し遂げてまいりました。
そのようなご支援に対する感謝の気持ちとして、また隣県として、被災地の復旧・復興が一日でも早く進むよう、県民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、出来る限りの支援を実施してまいりたいと考えております。
地震による本県への影響と対策
今回の地震は、本県の観光をはじめとした産業に影響を及ぼしており、その動向を注視しながら、迅速かつ適切に対応していく必要があると考えております。
特に、観光分野においては、熊本県や鹿児島県のみならず、本県においても旅館やホテル等で宿泊予約のキャンセルが相次ぐなど、観光関連事業者に大きな影響が生じております。
このような厳しい状況を受け、県においては、去る8月 18日に、観光需要の喚起にかかる支援や風評被害対策の充実について、国に対し要望を行ってまいりました。
その後、8月28日には、九州各県への誘客促進を図るための支援策「九州ふっこう応援割」に対する財政支援が国から示されたところであり、本定例会に関係予算を提案しております。
県としましては、本県観光の早期回復につなげられるよう、関係機関と連携のうえ、速やかに取組を進めるとともに、引き続き、本県の正確な情報を広く発信し、観光客の皆様に安心して訪れていただけるよう努めてまいります。
また、観光産業をはじめとする県内の中小企業者等の資金繰りに万全を期すため、8月4日には、県に特別相談窓口を設置するとともに、9月4日から、県の制度融資である「緊急資金繰り支援資金」の対象に「令和8年熊本地震」を追加しております。
引き続き、県内産業への影響について、情報収集に努めるとともに、必要な対策を迅速に講じてまいります。
令和9年度予算編成に向けた県政推進における重点方針
本県が抱える諸課題の解決を図るとともに、本県の魅力や人を惹きつける力を高め、県内外の多くの方々に「住みたい」「働きたい」「訪れたい」と思ってもらえる長崎県をつくっていくためには、県政を取り巻く社会経済情勢を的確に捉え、市町や企業、関係団体など多様な主体との連携を図りつつ、地域の資源やポテンシャルを最大限に活かしながら、政策形成の一層の充実や、着実な事業展開を推進していくことが重要であると認識しております。
そのため、今後、重点的に取り組む事項や分野を示すことを目的として、「地域経済の基盤をつくる」「地域を残していく」「未来を担う人材を育てていく」の3つの基本的な考え方のもと、中長期的視点にも立ちながら、「令和9年度予算編成に向けた県政推進における重点方針(案)-長崎県を前へ進める18の挑戦と深化-」を今般、取りまとめたところであります。
重点方針(案)では、海洋県である本県の優位性を活かした産業振興に取り組むとともに、地場産業の活性化や「長崎セキュリティコースト構想」の実現に向けた施策等を推進することにより、経済のエンジンを回し、産業の集積と競争力の強化を図るなど、人口減少社会の中においても、持続的で強靭な地域経済の基盤づくりを進めることとしております。
また、県民の皆様が住み慣れた地域で安全・安心に暮らせるよう、医療、福祉、交通など、生活の基盤となるエッセンシャルサービスを維持するための支援を力強く進めるとともに、地域防災力の向上や豊かな暮らしの実現を図るなど、地域を維持していく施策を推進してまいりたいと考えております。
さらに、本県の未来を担う人材の育成を進めていくため、こどもたちや若者の挑戦を後押しするとともに、日本一共働き・共育てしやすい長崎県づくりの推進、こどもまんなか社会の実現、学力向上や教育環境の整備等に向けて取り組むこととしております。
特に、こどもや若者の挑戦を応援する施策として、県内の小・中学生や高校生、大学生など幅広い年代の方々による、文化・芸術、スポーツ、探究活動、起業等に関する挑戦的な取組を公募したうえで、「ながさき未来人材育成基金」を活用し、その実現に向けた活動への支援を行ってまいります。
今後、県議会のご意見をお伺いしながら、重点方針を策定し、令和9年度予算編成に向けて、具体的な施策の検討を進めてまいります。
長崎県総合計画の見直し
長崎県総合計画については、重点方針(案)でお示しした県政推進の基本的な考え方を踏まえながら、中長期的視点に立ち、その見直しに今後、取り組んでいくこととしております。
見直しにあたっては、私が先の知事選挙で県民の皆様にお約束をした政策をはじめ、私自身が実現したいと考えている政策を総合計画へ反映していくことに加え、国の「地域未来戦略」に基づき策定を進めている「地域産業成長プラン」や中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰など、現計画策定後の社会経済情勢の変化を的確に捉えながら、今後重点的に取り組む事項に関して、施策の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。
今後、県議会をはじめ、県民の皆様からのご意見をお伺いしながら、今年度中の総合計画改定を目指して、内容の検討を進めてまいります。
地域産業成長プランの推進
国においては「地域未来戦略」を策定し、地方に大規模な投資を呼び込み、各地に産業クラスターを戦略的に形成していくとともに、地域資源を最大限に活用し、地場産業を含む地域産業及び地域経済の持続的な成長を図っていくこととしております。
本県においても、13の産業分野に係る「地域産業成長プラン」の策定を進めているところであり、このうち、海洋関連分野における計画については、国との調整が完了し、去る8月28日に開催された「地域未来戦略に関する関係副大臣等会議」において、私自ら本計画について発表を行い、今般、計画の策定に至ったところであります。
また、本県と佐賀県、熊本県等で連携し、国へプロジェクト提案を行っておりました九州地域の次世代船舶に係る戦略産業クラスター計画についても、同会議において、国から計画の発表がなされました。
今後、これらの計画を踏まえ、国内で唯一、商船、防衛、浮体式洋上風力の海洋関連産業3分野の取組が進んでいる本県が、我が国の海洋関連産業を牽引する拠点となることを目指してまいります。
このほか、現在、国と調整中である産業分野の計画も含め、地域未来基金費として国から措置された財源等も活用しながら、各産業の振興を図ることとしております。
具体的には、輸出産業クラスターを形成するため、水産分野においては、輸出に取り組む事業者や輸出拡大に向けた増産に取り組む養殖事業者に対し集中的な支援を行うとともに、農業分野では、輸出先のニーズや規制に対応した産地づくりのほか生産から加工、流通までの輸出型バリューチェーンの構築を推進してまいります。
また、加工食品や陶磁器などの食関連分野においては、輸出拡大が見込まれる中核企業を支援することで、産地や生産者及び関連事業者に対しても、輸出拡大の効果が波及していくよう取り組んでまいります。
半導体、航空機などの成長産業分野等については、国の戦略産業クラスター計画における本県関係プロジェクトの反映状況等を見極めながら、今後、具体的な支援策にかかる検討を進めることとしております。
今後とも、本プランを着実に実行していくことで、県民の暮らしを支える産業の持続的な成長につなげてまいります。
九州新幹線西九州ルートの整備促進
九州新幹線西九州ルート(新鳥栖~武雄温泉間)の整備については、去る7月17日、国土交通省の水嶋事務次官と佐賀県の山口知事との間で、令和9年度から環境影響評価を実施することが合意されました。
今回の合意に向けて、自ら先頭に立って粘り強く交渉いただいた水嶋前事務次官に深く感謝申し上げるとともに、難しい決断をいただいた山口知事に敬意を表するところであります。
また、今回の合意は、フル規格での着工を前提としたものではありませんが、議論の進展を図るうえで重要な一歩を踏み出したものであり、長年にわたり膠着していた状況から整備に向けた動きが示されたことを大変意義深く受け止めております。
一方で、本県の負担等についても触れられている今回の合意は国土交通省と佐賀県との間でなされたものであり、あくまでも両者の認識が示されたものと受け止めております。
こうした認識のもと、8月27日に私が山口知事と直接面会し、今回の合意を双方で尊重するとともに、合意に含まれる様々な論点について長崎県と佐賀県が継続的に協議を行っていくことを確認したところであります。
今後は、県議会や県民の皆様のご意見を伺いながら慎重に検討を進めてまいります。
九州新幹線西九州ルートについては、全国の新幹線ネットワークにつながることが本県及び西九州地域の発展にとって極めて重要であることから、引き続き、国や佐賀県をはじめ関係者との実践的な協議を重ねながら、全線フル規格による整備の早期実現に向けて全力で取り組んでまいります。
「ながさきクルーミーティング」の開催
去る8月27日に、県・市町の更なる連携強化を図るため、県内21市町長の皆様が一堂に会した「ながさきクルーミーティング」を開催いたしました。
この会議は、私と21市町長を同じ船に乗り込む「クルー」に見立て、地域課題の解決と地域の発展という共通の目標に向けて、力を合わせて取組を進めていくという想いを込めて、「ながさきクルーミーティング」という名称としております。
今回の会議では、国民健康保険の保険料水準の統一に向けた意見交換を行うとともに、子ども医療費助成制度については、県から制度の見直し案を示したところであり、今後、市町のご意見を踏まえながら、制度の詳細にかかる検討を深めてまいります。
引き続き、県・市町の課題や施策について積極的な情報共有や意見交換を行い、各種施策の効果的な展開につなげてまいります。
県民との意見交換会
私は、様々な課題は常に現場にあると考えており、地域の皆様の声に耳を傾けながら、必要な施策を構築し着実に推進していくことが重要であるとの認識のもと、可能な限り県内各地へ直接足を運んでいるところであります。
その一環として、各地域における幅広い分野の皆様との意見交換会も積極的に実施しており、これまで7月1日に県央地域、8月26日に県北地域、9月1日に壱岐地域において開催いたしました。
意見交換会では、商工業や農林水産業、地域振興、子育て支援、教育など、各地域において、様々な分野で活動されている方々にご参加いただき、それぞれの立場で感じておられる地域の課題や県政への期待等について率直なお話を伺ったところであります。
今後とも、県民の皆様との対話を重ねながら、地域の声をしっかりと受け止め、県政運営に活かしてまいります。
県民との意見交換会
今年度末に期限を迎える有人国境離島法については、去る7月8日に改正法が成立し、10年間の延長が決定しました。
これを受け、県では、7月30日に本県選出国会議員をはじめ、県議会や関係市町の皆様とともに、あかま内閣府特命担当大臣等の関係者に対し、同法に基づく支援制度の拡充や、物価高騰等に対応した予算の確保について要望を行ってまいりました。
内閣府による令和9年度予算の概算要求においては、国境離島交付金について、支援制度の拡充や近年の物価高騰等を踏まえ、今年度当初予算額から30億円の増となる85億円が要求されており、加えて、新たにDX・GX等の先駆的技術の社会実装を推進するための経費として、10億円が盛り込まれております。
引き続き、住民の皆様がしまに住み続け、安心して生活を営むことのできる環境づくりを進めていけるよう、関係市町と連携し、国の交付金等を最大限に活用しながら、国境離島地域の地域社会の維持・振興に力を注いでまいります。
離島の急患搬送体制の強化
離島からの急患搬送については、要請の重複や点検整備などにより、ドクターヘリや防災ヘリが対応できず、他に搬送手段がない場合には、自衛隊や海上保安庁に要請を行い、本土へ搬送いただいているところであります。
本県が九州各県と締結しております「防災消防ヘリコプター相互応援協定」においては、これまで運用上、離島からの急患搬送は要請の対象外とされておりましたが、九州各県と協議・調整の結果、本年10月から、協定の対象として要請できることとなりました。
このたびの運用見直しにより、昼間において、本県防災ヘリが対応できない場合には、他県の防災消防ヘリによる搬送が可能となります。
このような広域的な搬送体制の実現に向け、運用見直しにご尽力いただいた九州各県の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。
また、本年7月から運航を開始しているドクターヘリ2機目については、より多くの搬送要請に対応できるよう、10月中旬から運航日数を週1日から週2日に拡大し、さらに 11月からは週3日に拡大する予定としております。
引き続き、防災消防ヘリやドクターヘリを効果的に運用し、離島における急患搬送体制の充実・強化を図ってまいります。
県北地域の振興
県北地域については、「県北知事室」を設置し、地域の皆様との意見交換を行うとともに、地域の課題や事業の進捗状況等の把握に努め、地域振興に向けた取組を進めているところであります。
こうした中、去る8月1日、自由民主党の小林鷹之政務調査会長が佐世保重工業の工場や艦船修繕の状況を視察されるとともに、関係者との意見交換が行われました。
その際、県からは、米艦船修繕や教育拠点整備、防民共用に対する支援のほか、若者の造船業への関心を高めるための情報発信等について要望し、小林政調会長からは、造船業について、「国として本気でやるということを見せていきたい」との力強い発言をいただいたところであります。
今後とも、国や関係自治体とも連携しながら、県北地域の強みを活かし、防衛関連を含む本県造船業の更なる振興に取り組んでまいります。
また、10月9日には、国際サイクルロードレース「ツール・ド・九州2026佐世保クリテリウム」が開催されます。
本大会は、国内外から18チーム、約100名の選手が参加し、世界トップクラスの走りを間近で体感できる貴重な機会であり、著名人によるトークショーや体験会、物産販売などの関連イベントも開催しながら、多くの方々に観戦していただけるよう、大会を大いに盛り上げてまいります。
今後とも、九州経済連合会を中心とした実行委員会や佐世保市、関係団体等と緊密に連携しながら、大会の成功と交流人口の拡大につながるよう取り組んでまいります。
県としては、引き続き、地元関係者の皆様のご意見等を十分お聞きしながら、官民が連携して地域経済の活性化を図り、県北地域の振興を通じて、県全体の発展につなげてまいります。
県庁舎跡地の活用
令和4年7月に策定した「県庁舎跡地整備基本構想」でお示しした理念や整備する機能の基本的な考え方を基に、具体的な機能や事業手法、管理運営計画等の検討を進め、今般、「県庁舎跡地整備基本計画(案)」をとりまとめたところであります。
県庁舎跡地は、長崎開港以来、450年に及ぶ重層的な歴史のある大変意義深い場所であり、出島との一体性に配慮し、かつての石垣を顕在化させるなど、長崎を象徴する場所にふさわしい質の高い空間を目指し設計・整備を進めてまいりたいと考えております。
事業手法については、PFIを含めて検討を行ってまいりましたが、PFIを実施する際の判断基準であるVFⅯの数値や民間事業者へのサウンディング結果等を踏まえ、設計、施工、指定管理を分割して発注するとともに、運営事業者の意向を設計等に反映するために、初期段階から運営事業者を関与させるEOI方式で実施することを考えております。
今後、来年度中に関係条例を制定の上、指定管理者を早期に選定し、整備後の賑わい創出に向けた取組についても並行して進めてまいります。
県としては、県庁舎跡地が人々の行き交う場となり、周辺地域に賑わいをもたらし、県内周遊を促すことが出来るよう取り組んでまいります。
石木ダムの推進
石木ダム建設事業については、川棚川の河川整備計画の変更の必要性について判断するため、7月12日に最初の「有識者の意見を聞く場」を開催し、治水や利水、環境など各分野の専門家にご意見をお聞きして以降、これまでに、地元住民の方々などにも、幅広くご意見をお伺いしてまいりました。
また、ひととおりご意見をお伺いする中で、それぞれの主張の相違点や確認を要する点が生じてきたため、8月30日には、最初にお集まりいただいた専門家の方々に再度ご参集をいただき、治水や利水等についてご意見を改めてお伺いするとともに、佐世保市水道局から水需要予測の考え方等についてご説明をいただいたところであります。
今後は、お伺いしたご意見をしっかりと受け止め、論点の整理を行った上で、適切に判断してまいりたいと考えております。
赤潮による養殖魚の被害
8月上旬から橘湾において赤潮が発生し、現時点でブリ、シマアジ、トラフグなど約16万尾の養殖魚がへい死するなど、大きな被害が生じており、被害額としては約2.5億円が見込まれています。
私も去る8月18日に、徳永県議会議長とともに現地を訪問し、養殖業者の皆様に直接お会いして被害状況を確認するとともに、ご意見を伺ってまいりました。
今回の被害の発生を受け、県としては、長崎市や雲仙市、関係団体と協力しながら、へい死した養殖魚の処理や代替魚の購入に係る経費への支援、経営再建に向けた金融面での支援を行うこととし、緊急を要するものは予備費で速やかに措置するとともに、今後必要となる経費については関係予算を本定例会に提案しております。
引き続き、地元市や関係者の皆様と連携し、県議会のお力添えも賜りながら、養殖業に携わる皆様が、将来に希望を持って働き続けられるよう力を注いでまいります。
少雨による農産物への影響
本県では、7月の梅雨明け以降まとまった雨がほとんどなく、記録的な高温、少雨の天候が続き、農業用水が不足する一部地域においては、果樹や水稲の生育不良などの影響が生じております。
こうしたことから、県では、去る8月12日、関係機関とともに農林業異常気象対策連絡会議を開催のうえ、渇水状況及び技術対策を共有したほか、農業用水確保にかかる国・県の補助事業を周知し、その活用を促したところであります。
また、昨日には、私も佐世保市宮津町の現地を訪問し、みかん生産者の皆様に直接お会いして、落葉や樹勢の低下などの影響を確認するとともに、様々なご意見を伺ってまいりました。
県としては、県内農林業への影響を最小限に留めるため、今後の収穫の状況等を注視しつつ、関係機関とも連携を図りながら、必要な対策について検討してまいりたいと考えております。
県立学校等の県有施設のトイレ洋式化
県有施設は、多くの県民の皆様が日常的に利用される公共の財産であり、年齢や身体状況にかかわらず、誰もが安心して快適に利用できる環境を確保することが重要であります。
近年、生活様式の変化などに伴い、洋式トイレは利便性向上の面で欠かすことのできない設備となっております。
このため、県では、県立学校等の県有施設に残る和式トイレの洋式化を計画的に進め、利用の少ないトイレ等を除き概ね3年間で洋式化率100%の実現を目指してまいります。
今後とも、県民の皆様にとって、より利用しやすく、親しまれる施設環境の充実に努めてまいります。
企業誘致の推進
大規模な雇用の場の創出や県内企業の受注拡大に寄与するアンカー企業の誘致に向けた、東彼杵町における工業団地整備については、去る7月15日、県、東彼杵町及び優先交渉先事業者である大和ハウス工業株式会社の3者において、役割分担や開発範囲等に関する基本協定を締結いたしました。
今後は、大和ハウス工業において、現地調査等が順次実施されることとなりますが、県としましても、東彼杵町や県産業振興財団と連携のうえ、整備に向けた各種調整や企業誘致活動に努めてまいります。
また、7月13日には、東京都に本社を置く楽天カード株式会社が、長崎市への立地を決定されました。同社は、5年間で48名を雇用し、クレジットカードに関するシステム開発業務などを行うこととされております。
さらに、9月1日には、京セラ株式会社が諫早市において長崎諫早工場を開設しました。同工場では、主に半導体製造装置向けのファインセラミック部品や半導体パッケージなどの製造を行い、将来的には1,000人規模の拠点となる見込みであり、本県経済の活性化や、魅力ある雇用の場の創出につながるものと大いに期待しております。
引き続き、雇用の拡大と地域経済の活性化を目指して、地元自治体や関係機関と連携しながら、企業誘致の推進に力を注いでまいります。
スポーツの振興
この夏、本県の中・高校生が各種大会において、見事な活躍を見せてくれました。
去る7月22日から8月21日まで近畿地方6府県を主会場として開催された全国高等学校総合体育大会において、 個人競技では、陸上競技女子100m、100mハードルで長崎日本大学高校の吉永優衣選手、ウエイトリフティング競技女子77kg超級で西彼農業高校の森七菜実選手がそれぞれ優勝を果たし、団体競技では、ソフトボール競技男子で大村工業高校が準優勝するなど、個人・団体合わせて29の入賞を果たしました。
また、8月17日から25日まで中国地方5県で全国中学校体育大会が開催され、個人競技において、柔道競技男子 60kg級で長崎日本大学中学校の平井栄輝選手が優勝、柔道競技女子70kg超級で、同じく長崎日本大学中学校の ウチラルアンフ選手が優勝、柔道競技男子50kg級で五島市の岐宿町柔道部の川村一希選手が3位入賞するなど個人・団体合わせて13の入賞を果たしました。
さらに、国際大会では、7月18日に中国で開催された、バレーボール競技のU18アジア選手権大会に大村工業高校の松尾寿哉選手が出場し、銀メダルを獲得しました。
一方、成年競技では、8月6日に神奈川県で開催された第38回全日本ビーチバレーボール大学選手権大会において、鎮西学院大学の園田柊弥選手、立石大和選手のペアが初優勝を果たしました。
また、8月6日から東京都で開催された第57回全日本青年銃剣道大会において、陸上自衛隊第16普通科連隊が青年第1部で2連覇を果たし、彬子女王杯第2回全日本女子選手権では同じく第16普通科連隊の里麻衣選手が2連覇を果たしました。
選手並びに指導に当たられた関係者の皆様のご健闘を心からたたえるとともに、今後とも、県民に希望と活力を与えるスポーツの振興と競技力の向上に力を注いでまいります。
サッカーJ1リーグの2026/27シーズンが8月7日に開幕し、9日にV・ファーレン長崎は新たなスタートを切りました。
「平和祈念マッチ」として開催された開幕戦では、私も長崎市の鈴木市長とともにハーフタイムイベントに出席し、スポーツを楽しみ、感動を分かち合うことができる平和の尊さを、両クラブのサポーターに対し呼びかけてまいりました。
現在、チームは「アジア・チャンピオンズリーグ出場」を目標に掲げ、高木琢也監督の指揮のもと、チーム一丸となって熱戦を繰り広げられております。
今シーズンも、選手やスタッフ、サポーターが一体となり、目標に向かって突き進まれることを期待しております。
また、Bリーグの改革により再編された男子プロバスケットボール国内最高峰リーグB.LEAGUEPREMIERの2026-27シーズンが9月22日に開幕します。
今シーズンからオーストラリア出身のディーン・ヴィッカーマンヘッドコーチを迎え、新たなヴェルカスタイルを確立し、国内トップリーグでの連覇を目指して活躍されることを期待しております。
県としても、県民応援フェアの開催等によりホームゲームを盛り上げるなど、県議会をはじめ、市町や関係団体、県民の皆様と一体となって、両チームのさらなる飛躍を願い、力強く応援してまいります。
議案関係
次に、議案関係についてご説明いたします。
まず、補正予算でありますが、今回は、国庫補助事業の内示等に伴う事業費の追加、その他緊急を要する経費について編成いたしました。
一般会計 87億 5,248万 9千円の増額
補正をしております。
この結果、現計予算と合算した本年度の一般会計の歳入歳出予算額は、
7,924億 9,127万 1千円
となり、前年同期の予算に比べ、
491億 9,109万 5千円
の増となっております。
次に、予算以外の議案のうち、主なものについてご説明いたします。
第88号議案「長崎県情報公開条例の一部を改正する条例」は、長崎県土地開発公社を解散する旨の議決がなされたことに伴い、所要の改正をしようとするものであります。
第89号議案「長崎県一時保護委託者の登録等に関する基準に関する条例」は、改正児童福祉法により、「登録一時保護委託者制度」が創設されたことに伴い、一時保護委託者の登録に関する基準その他必要な事項を定めるため、条例を制定しようとするものであります。
第90号議案「契約の締結の一部変更について」は、県南振興局庁舎建設工事の請負契約を一部変更しようとするものであります。
第96号議案「公の施設の指定管理者の指定について」は、長崎県美術館の管理を行う指定管理者を指定しようとするものであります。
第99号議案は、長崎県収用委員会の委員及び予備委員の任命について議会の同意を得ようとするものであります。
委員といたしまして、
石 橋 龍太郎 氏
宮 崎 英 樹 氏
川 端 辰 長 氏
予備委員といたしまして、
竹 房 政 美 氏
を任命しようとするものであります。
いずれも適任と存じますので、ご決定を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
なお、収用委員会予備委員を退任されます、堺賢作委員には、在任中、多大のご尽力をいただきました。この機会に厚くお申し上げます。
その他の案件については、説明を省略させていただきますので、ご了承を賜りたいと存じます。
以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明を終わります。
なにとぞ、慎重にご審議のうえ、適正なるご決定を賜りますようお願い申し上げます。